3枚目の名刺
黒谷和紙、薄茶色の活版印刷、縦書き。
表は日本語、裏は英語。
肩書きは、京都観光文化検定一級。
ネットで検索に検索を重ね、惚れ込んだグラフィックデザイナーさんにプライベートの名刺を作ってもらったのは、3年ほど前。
本業とはまったく無関係な私の2枚目の名刺は、手触りもデザインも大満足の仕上がりになった。
200枚ほど印刷してもらい、現在の残りは100枚弱。
博物館の館長先生、大企業の社長さん、老舗の会長さん、寺社仏閣で働く方々、歴史の通説を書き換えた研究者の方々、生粋の京都人の方々。
初めて日本に来て、京都を観光する外国人の同僚たち。
私の二枚目の名刺は、気がつけば国内外100人以上の手に渡り、京都検定を受け始めたころには予想もつかなかった、一生もののかけがえのない出会いが待っていた。
3年経った今、私は3枚目の名刺を作るべく、スタートを切った。
まだ形にできていないことを形にして、新しい名刺を作る。
今回は、似ているような似ていないようなパートナーと一緒に、新しい何かを始める。
まずは2年間で、お互いやりかけの学びに区切りをつける。
あれがやりたい、これができそうとアイデアを出し合って、話が尽きずに朝を迎えてしまう。
話すことで、お互い真剣になれる。
三枚目の名刺を発注できる日を夢見て、着々と、でも、ゆるりと進んでいくのが楽しい。